朝7時に村の中央バス停へ。8時の大型バスを待つ。新規導入された大型バスはヤカセメ村から26Km北の町アゾぺとアビジャンを結ぶ。チケットを手に入れ、停留所で待つ。各停留所にはバス会社のコントローラーがいて、チケット確認をすませ乗り込む。
車内はクーラーがきいていて、きれいな座席に座ると、まるで別世界のように快適。
サザンカ:なんか日本の長距離バスに乗ったようね。
イローム:うん、このバスは1年くらい前に入ってきた。最初は従来の乗り合いバス(ンバカ)組合から、だいぶ反発あったそうだけど。
サザンカ: ああ、ンバカ、、あれは、運転が乱暴で、凸凹の穴いっぱいの道なんか、すっ飛ばすからね。体がバウンドして頭が天井にぶちあたりそうで、座席にしがみついてるわ。
イローム:そんな時は、ちゃんと足で踏ん張るんだ。
サザンカ:体重そんなにないから、わたしボールのように飛び跳ねるのよ。
イローム:腹筋がないのか、君は?ダメだなあ。
サザンカ:とにかく、これからはこのバスに乗ろうね。ところで、今どこ?
イローム:ずっと動いてない。渋滞に入ったんだ。
サザンカ: 右に見えるは、建築中の『アラサンワタラエビンペサッカー場』。
来年の2月だかに、W杯のアフリカ選手権がコートジボアールであるんだって。大イベントね、人が集まってくる。それで国挙げてあちこち道路拡張工事やってる。どこもかしこも渋滞問題。
イローム:ほら、確かここらあたりだ。Nさんが土地買ったのは。でも、サッカー場建築の話が入ってきて、道路拡張するからと立ち退きを命じられた。国が買い上げたのさ。ちゃんと返済するからって。でも未だに返済ない。結局うやむやになるんだろうって諦めてるらしい。
サザンカ:そうね。これ、建築物として美しいと思う?
それに、自分の名前つけるっていうセンスもどうかねー。
イローム:W杯とかアフリカ選手権とか、もともと僕は全然興味ない。スポーツ界なんて汚い世界だよ。
サザンカ: アビジャンにある『ウフェボアニサッカー場』は、周囲と調和取れてて美しい建築物で私は好きだけど、、。60年前のコートジボアールの独立。その初代大統領の名前がついてても、違和感ないけど。この新築サッカー場はちょっとねー。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
あれっ、10時過ぎてる、村を出てからもう2時間。この辺、渋滞いつものことだけれど、、。
ウワッ、大木満載のトラックが、前にはだかってる。うっとおしいねー。
この大木たちは、アビジャンの港から出て海をわたり、西欧に売られ、高価な家具になるのよ。
隣席の女性が、さっきからすごく怒っている。『朝6時からよ。5時間かかってるのよ。困るわ、こんなことでは、仕入れして戻っても商売にならない。なんなのよ、この渋滞!』
以前動かないバス。誰かが運転手に『ちょっと出るから』すると中央の扉がゆっくりと開く。次から次とあわてた乗客が降りる。運転手も降りていった。車の海の隙間をぬって、どこかへ用足しに。
終点のアジャメに着いたのは11時過ぎていた。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
さて、往路。
夕方、アジャメのバスターミナルから、17時発のバスに乗って、、、
日が沈む頃、まだ道程の半分も来ていない。アビジャンーヤカセメ村の距離は45キロ。
自宅に戻ったのが、21時過ぎだった。
コメント