2023年2月25日 水と電気の話 (5)

生活

ハルマタンの日の出6時12分

 

ハルマタンもそろそろ遠のいたんだろう、日の出前の空は、モヤは消えて、くっきり浮かぶパパイアの葉と相まって藍ぞめのよう。

サザンカは、夜中の2時頃に、起きるクセが付いている。

 

 

サザンカ:そう、この頃は、自然と目がさめるよ。朝かと思って起きたらまだ夜中。気になってるのね。水が出てるかって。出ている時は、眠いのをぐっと抑えて、5リットル入りの容器に15個くらい溜める。それが終わって、ホッとしてまた寝床へ戻る。でも、ここ10日ほどそれもできない。

イローム:昨日だったか、となりの町内に貯水タンク車が来たらしい。水を求めてすごい行列だったらしいよ。

サザンカ:あらっ、誰がよこしたの? ここにも来ないかしら。。

イローム:わからないね。何の連絡もない。副知事のやることなんだろうけど。

サザンカ:さっき、A氏に電話して奥さんと話した。「水はどうしてるの? おたくには井戸あるの?」と聞いたら、「井戸はないのよ、先週からずーっと水がないわね。本当にこんなことでは、どうしたらいいかわからないわ。」って言ってた。A氏は地元の名士でしょ、だから井戸なんかいくつも持ってるのかと思ったけど。

イローム:A氏はね、もともこの村の出身ではないんだ。奥さんは村の人だけど。長年都会アビジャンで銀行に勤めて、退職後村へやってきたのさ。

サザンカ:奥さんは言ってたよ、「こんな問題、副知事がなんとかするべきだわ。」

イローム:村外れにため池があるだろ、あそこに皆が水汲みに行くらしい。でも『ため池は不衛生だから水を汲みに行ってはならない』という副知事のお触れが出たらしいよ。

 

 

翌日は最低だった。というのは、停電。村だけでなくアビジャン周辺、広範囲で停電騒ぎになった。

サザンカ:ちょっとちょっと、ひどいよ。アビジャンの L.Kさんから連絡があったわ。アビジャンではおとといからずっと停電らしい。L.Kさんの住むのは一等住宅地なのに。。。L.Kさんいわく:

『なんでも、”バンコの森” 付近にある国軍病院の電気系統に、突然、道路工事に来ている巨大トラックがぶつかり、電気ケーブルが壊れてダメになったらしい。電気供給会社はそれについて、工事のやり方を批判するコミュニケを発表した。「現在アビジャン圏内では、あちこちで道路工事が無計画に行われている。それぞれの下請け業者が勝手気ままに工事を進めていて、工事全体の見守りという役目を果たす部門が不在である。これが問題である。」と。

『開発事業プロジェクトには巨大な資金が先進国から入る。政府はそれを受ける。下請け業者がたむろしてくる。プロジェクト全容の管理部門なんか設けないで、それぞれ下請け業者は、勝手気ままに無計画に動くのよ。けっきょく資金提供者、政府、電気供給会社、下請け会社みんな同じムジナよ。』

サザンカ:なんか虚しい話ね。開発開発ってなんのため? 今日は43度よ。水はない、扇風機なしで、もう茹でダコよ。やってられないよ。

イローム:いつもいってるように、今僕達の生きてる世界のシステムで謳われる、”開発” とは人間のためにより良い社会を作ることとは違うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この間、電気が2日間まるまる停電する事態が起こっていた。

水は出なく、42度の暑さ、追い打ちをかけるように、電気もない。

これで

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