2021年7月12日(アフリカなす)

日記

 

今日も気温は33度の過ごしやすい日。庭に出る。敷地のうらがわ、雑草にしては存在感があるのでむしらないでそのままにしてあったのが、枝葉茂ってうっそうとなり、果実が見え隠れしている、。そばによると、トマトでもない、オレンジでもないようだけれど、

これはナスビの一種だと後でわかった。オベルジンと呼んでいるアフリカナスの一種らしい。

 

それぞれの自然の、なんと色彩とかたちの豊かなことかと圧倒される。いつも、いつも、いいなあいいなあと サザンカは手放しで喜んでいる。

でも、のんきに喜んでいる場合ではない、気持ちを引き締めないと、というようなことが起きているのだから。とサザンカは言う。

発端は、盗難が起こったことだった。にわか作りの小屋、ある日、カギを差し入れると、あける前にすらっと開くので、おかしいね、まさかと思って中に入ると、ラジオ一式が消えていた。

その後、山のカカオ畑で働いていたある人物の身の上に、次々と、いろいろなことが起こる。

『この人は2年ほど前から、私たちのところで働くようになった大工職人。そもそも芝居小屋の建築を請け負ってやってきたチームのチーフ。なんでもこなす大工で、私たちのやろうとしている、文化活動に興味を示し、イロームと意気投合。カカオ栽培にも通じていた。で、収穫時期になった去年半ばから、畑のある山に赴き、カボスを割り、干して乾いたカカオ豆を、村の共同組合へ下ろしてくる一連の作業を任されて、うまくこなしていた。』

『それがいつ、どうなったのか、、私には見当もつかない』とサザンカはいう。

ある日、大工は母親が亡くなったとのことで、家族を残し山を降りアビジャンへ行った。そして3日後の夜遅く私どものところへ、血相変えてとんできた、息子が、下校中、バイクにはねられ大怪我したので葬式準備をほったらかしにして、村に戻ってきた。輸血しないと命に関わる、、金がない、と。驚いたイロームは真夜中すぎに隣村のATMへ行き、費用を工面して大工に渡した。

その後何の音沙汰もなかったが、一ヶ月後、突然現れ、”息子の骨折は、伝統施療士に、かかっていて、そばに自分が付き添わねばならない。電話は失くした。妻は、いさかいした後、出て行って、どこにいるのかわからない” というので、いろいろ大変だね。と給料を渡したら、施療士のところへ戻って行った。数日後村に帰ってきた大工は畑に戻り、乾いたカカオ豆を山から下ろすことになっていた。

そして大工の消息は消えた。

大工の語ったことすべてが嘘だったとその後の捜索でわかった。母親のお葬式、子供の事故、カカオを干してあること、、、いろいろな農具も消えていた。

村の警察に相談に行った。”サギ” ”信頼の侵害” として届出を出した。召喚された日、大工の姿はなかった。大工の妻が、大工はどこかへ出稼ぎに行って不在だと、警察に伝えに来たらしい。

 

 

 

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